概要
- 本来、畳はワラ畳床と畳表と縁で作られていましたが、ここ数十年で畳床はいろいろな素材で作られるようになってきました。
- これらの畳床のメーカー名を使ってスタイロ畳、ダイケン畳と言います。
呼び方の違い
- 上記のように、畳床の違いによってメーカー名から「(メーカー名)畳」と名付けられています。
スタイロ畳床は、ダウ加工のスタイロフォームという発泡ボードを使って作られた畳床です。
もともとは、上下をワラで挟んで作っていたのが一番最初の製品でした。
一般的な畳店も、スタイロ畳床というと今でもワラとスタイロフォームを組み合わせた畳床を思い浮かべるのが普通です。
この場合は、スタイロフォームを使っているのでスタイロ畳床と言い、
カネライトフォームを使っている場合は、
スタイロ畳床とは言わずカネライト畳床と区別して呼びます。
- ところが、この「ワラ以外の素材」が初めて使われたのがスタイロ畳(スタイロ畳床)で、
当時(1970年代)は相当なインパクトがあったため、
ワラ以外の素材を使った畳床は全てスタイロ畳と間違って呼ばれるようになります。
大建工業の木質繊維板、ダイケンボードが誕生してからは、その素材の組み合わせは様々となり、ワラとダイケンボード、
あるいは、ダイケンボードとスタイロフォームなど、数々の製品が世に出てきます。
この時に、メーカーとしては、自社の部材が使われている物は、全て「(会社名)畳床」と呼び、
それで作られた畳のことを「(会社名)畳」と命名したため混乱が起きてしまいます。
- つまり、ダイケンボードとスタイロフォームを使った畳床は、大建工業からすると「ダイケン畳床」となりますが、
ダウ加工からすると「スタイロ畳床」となったわけです。
- このように、本来は、部材によって呼び分けるのですが、複数部材が組み合わされているのが普通であり、
さらに歴史的にも混乱があったために、呼び方だけでは正確な製品が判らない場合も多々あります。
畳店からのお願い
- 上記のように、仕様書・発注書に「スタイロ畳」と書かれた場合は、正確な畳の仕様は特定できません。
畳床の特定が仮にできたとしても、畳表が指定されないからです。
- 畳床の仕様・畳表の仕様・サイズの大まかな指定(丈1800mm未満・巾900mm未満なのか、それ以上になっているのか)を
詳細にして頂くことは、最終的に使用される方や、設計・建築の各部担当者との誤解もなくなるものです。